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2024.07.19

《column.14》なぜお手入れが必要なのか。

kissora

コラム・14

なぜお手入れが必要なのか。

第14弾は「なぜお手入れが必要なのか」についてです。kissoraではこれまでにHPやSNS、YouTubeを通して、革製品のお手入れについて触れてきました。幾度となく手順を解説し、お手入れをお願いしていることには理由があります。今回はそんな「なぜお手入れが必要なのか」についてお話しできればと思います。

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革の特性

お手入れの重要性の前に革の特性について改めてお伝えします。
革は牛や山羊、馬や豚など動物から生まれた素材です。元々自然物であった革は、私たち人間と同じように水分と油分を適切な量保つことで素材本来の魅力を最大限に発揮します。
加えて、kissoraで取り扱っている製品の多くは、タンニン鞣し+染料仕上げの加工を施しています。こちらの鞣し方法と染め上げ方は、革本来の表情をより生かしナチュラルさを追求した仕上げ方です。前者のタンニン鞣しは、使用されている成分が光や紫外線によって酸化し、色を変化させる特徴を持ちます。加えて、後者の染料仕上げはいわゆる薄化粧をした状態で、色を載せすぎず革の表情を生かした着色方法で、kissoraではこれらが合わさった仕上げで作られた革をメインに使用しています。

ネガティブな変化をする理由

豊かな色の深みや手馴染みを生む『経年変化』に対して、素材の魅力を損なってしまう『経年劣化』(=ネガティブな変化)が起こる主な理由は「乾燥」です。乾燥により水分、油分が失われ、傷や擦れ、色褪せが発生します。これらはアフターケアにより補えるものもありますが、特に色褪せに関しては修復不可能なものもあります。

トラブルを防ぐために

kissoraにおいてはシリーズごとに素材の特徴が異なり、ケアがこまめに必要なものからトラブルが起きにくいものもあります。素材と加工方法を見極めながら正しく付き合うことで、より長く美しい状態を楽しみながら製品をお使いいただくことができます。ですが、その方法は実にシンプル。とにかく「水分」と「油分」の補給です。前述したように自然物である革は水分と油分が失われることで乾燥し様々なトラブルを引き起こします。適切な量の「水分」と「油分」を補給することで素材本来の魅力を保つことができるのです。

お手入れの重要性

上記のことを以て、革製品を使用する上でお手入れは欠かすことのできない重要なものであると言えます。突き詰めていくと、素材に合わせたケア用品の選定やお手入れのテクニックも要求されますが、kissoraのアイテムを使用する上では、とにかくシンプルな「水分」と「油分」を補給するお手入れの継続で解決します。月に1度を目安に「乾燥」が気になるタイミングで気軽にケアを実践してみてください。

column.03 革製品のケアについて

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こちらのセクションではお手入れを行わなかった際に起こるトラブルの例をお伝えします。前述したようにネガティブな変化は主に「乾燥」を原因に傷や擦れ、色褪せが発生します。使用の有無に関わらず、蛍光灯の元に晒し続けることでもネガティブな変化は起こり得ます。
また、革製品を使用されない場合も、空気のこもらない場所で不織布等に入れて保管することをおすすめしております。紫外線に触れていないことに加え、湿度が増すとカビが生える原因にも繋がります。

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上記はネガティブな変化の主な例です。上部2つは、使用中のハプニング(キズやシミ等)に限らず、放置するだけで発生する劣化を含んでおり、アフターケアでは補いきれないトラブルの例となります。乾燥することで革の油分や水分が抜けると同時に染料も抜けてしまい、それによって色が褪せて「退色」しており、オススメしているデリケートクリームのケアでは色の発色を補うことはできません。
対して最下部の傷跡に関しては、アフターケアを行い水分と油分を補い摩擦を加えることで、傷を消すのではなく革に馴染ませ、さらに経年変化による色の深みや質感の変化によってそれらを目立ちにくくするケアを行うことが可能です。
ケアを行えば全てのトラブルを防げるということではありません。事前に防げることも少なくないため、ネガティブな変化を引き起こさないためには、日頃のお手入れを行うことが不可欠なのです。

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こちらのセクションでは基本的なお手入れの手順をお伝えします。お手入れの手順は4ステップ+αと至ってシンプル。難しく捉えすぎずまずは一度試してみてください。下部のYouTubeでは動画での解説も行っております。

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step.01

汚れ落とし

まず初めに、ワークホース(馬毛)ブラシなどで表面やステッチ、パーツの隙間に入ったほこりや小さなゴミを落とします。こうして革をフレッシュな状態にすることで、栄養分が十分に入り込みやすく、お手入れ効果も長持ちします。特にステッチ周りのほこりを放置しておくと、カビが生えることもあるのご注意ください。

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step.02

水分、油分補給

デリケートクリームで、革に「水分」と「油分」を含んだ、潤いと栄養を補います。これは人間で例えるなら化粧水や乳液のようなもの。ポリッシングコットンでゆっくりと円を描くように塗り込んでいきます。革の乾燥を防ぎ、擦れなどによる細かな傷も目立たなくなるので、よりよい革の状態を保つことができます。

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step.03

乾拭き

ポリッシングコットンのクリームがついていない乾いた部分で乾拭きをし、革についた余分なクリームを取り除きます。また、乾拭きをすることによってツヤを出すことも可能です。

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step.04

ツヤ出し

ケアの仕上げにもう一度全体にブラシをかけます。ブラシを使用し摩擦を加えることで、全体の質感を整えながらツヤを出す効果もあります。

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plus α

撥水スプレー

布にも革にも使えるオールラウンドタイプの防水、防汚、撥水スプレーを全体的に吹きかけて、革の表面をコーティングします。使用する30分前にかけると効果を発揮します。汚れから守るために、予防として使う方法もあります。使用時は製品から20~30cm ほど離れた一から全体に満遍なく振りかけることをおすすめしております。一時的に色が濃く出る場合がありますが、しっかり乾かすことで 元通りの風合いになります。 よく乾かしてからご使用ください。※炭酸ガスを使用しているため、振らずにご使用ください。

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kissoraのYouTubeチャンネル「kissoraの中の人」にてデリケートクリームを使用した革製品のお手入れ方法についての動画を配信しています。基本的なポイントを抑えながら「教科書的なケア」と、長年革製品に携わってきたレザーケアマイスターが提案する「素手で行う大胆なケア」の2種類をご紹介しております。ぜひ併せてご覧ください。

YouTubeチャンネル「kissoraの中の人」

item line up

kissoraの革製品へのお手入れでおすすめしているケア用品をラインナップしています。特にデリケートクリームはkissoraでお取り扱いを行っている全ての製品にお使いいただくことができ「水分」と「油分」を補給するのに十分な効果を発揮します。

デリケートクリーム
KIRD-001
1,430円 税込
馬毛ブラシ
KIRD-002
1,430円 税込
プロテクターアルファ
KIRD-003
1,760円 税込
クリームエッセンシャル
KIRD-004
2,090円 税込
ポリッシングコットン
KIRD-005
660円 税込

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kissoraでは取扱店にてメンテナンスブックを配布しております。基本的なお手入れの手順やお手入れに活用できるケアアイテムを掲載しています。ぜひお手元に置き、お手入れの参考などにしていただければ幸いです。

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