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2024.02.16

《column.08》革が製品になるまで

kissora

慌ただしく過ぎていく日々の中で、
何が大切で、何がそうじゃないかを 自分の目で見極め、
一日一日を丁寧に、シンプルに暮らしたい。
そんな日常にそっと寄り添う 「kissora」との生活。
そんなコンセプトを掲げたkissoraが、
皆さまと革との毎日をより豊かに彩れるようにと始まったコラム企画。
革についての知識やひとつのトピックを深く掘り下げた内容をお届けいたします。
ぜひご一読ください。

コラム・08

革が製品になるまで

第8弾は「革が製品になるまで」です。前回のコラムでは、「皮から革になるまで」をお届けしましたが、今回は革となったその先、皆さまのお手元に届くアイテムが形作られる場である縫製工場にお邪魔して「ものづくり」に視点を置いた内容を展開していきます。

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革の入荷

縫製工場に革が入荷します。一般的には半身で1枚の革、1ロールとなっています。革の仕上がりは様々。仕上げていく製品に合わせた革が使用され、ここから様々な製品になります。

裁断

パーツごとに革を裁断する工程。抜き型を使用し、裁断していきます。革の状態を慎重に把握していく必要のある作業で、ここでも専門の職人が存在します。

薄き

裁断された革を薄く漉く工程。縫製の前に必要な工程で仕上がりの雰囲気を大きく左右する繊細な仕事です。

内装やパーツの下仕事

縫製を行う前の仮留めや細部の処理を行います。細かい作業ですが、いずれも重要な作業で長年の経験が活かされています。革の些細な差異を見極め、繊細に手作業が進められていました。

縫製

仕上げられたパーツをミシンで縫製する工程。縫うものの形状に合わせて平台ミシンと腕ミシンが使い分けられ、作業されています。

カシメ打ち

ショルダー紐などに使用されるカシメを打つ工程。玄能を使って打つ場合もありますが、こちらの工場では足踏みを使ってプレスされていました。

パーツの取り付け

パーツと本体を結合させる工程。中に芯材などを詰めながら一つひとつ慎重に仕上げられていきます。

検品・仕上げ

出荷前に検品を行います。安定した品質を求め、職人同士で共有し合う姿も見られました。検品の中で見つかる、はみ出した糸は鋏やライターで処理され仕上げられます。

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kissoraの定番でありロングセラーの「オリーブヌメ」シリーズや「トミー」シリーズの生産に携わっていただいている縫製工場の代表にお話をお伺いしました。

財布などの小物から、鞄まで幅広い製品の生産に長く携われていると思います。その中で、布地や合成皮革にはない「革の良さ」とはなんだと思いますか?

皆さんおっしゃることかもしれませんが、革は「自然のものである」ということですね。一つひとつが違ってオンリーワン。それぞれの良さがあるところが魅力だと思います。革には特有の傷や色ムラがあります。それも個性として受け入れる、活かす。それこそが魅力です。

kissoraさんでは特にですが、傷や色ムラを活かした生産においては我々も共感をしています。「自然の部分(ナチュラルマーク)は活かす」そう自信を持って伝えていただいているので、我々が生産する時も不安な気持ちにならず自信を持ってそれらを活かした生産をしています。

我々も声を大きくしてそれを伝えている道中です。傷や色ムラは革の個性である、そして「革は副産物」であり、サスティナブルにも触れていると。いつかきちんと皆さんに伝わってほしいですね。

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トミーシリーズ
ショルダーバッグ
KIOB-133
W290×H165×D130mm
20,350円 税込

トミーシリーズ一覧はこちら

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革は自然のものであるからこそ、ものづくりにおける工夫を凝らすべき点がいくつもあるといいます。冒頭で大まかな流れを記載しましたが、その中でも何点かピックアップしてご紹介します。

裁断

生産の冒頭で行われる裁断は、製品のパーツごとの抜き型に合わせて行われます。その際に傷や色ムラだけでなく、表面からは見えない裏側の致命的な穴に近い傷を見極め、避けたり、革本来の魅力である部分は活かしたりしながら裁断をします。1枚の革からできるだけ多くの箇所を製品として使用できるように裁断することが職人としての技量を試される作業です。

縫製

布地も同様ではありますが、革は特に、穴が空くと元に戻すことができません。縫い直す際には空いてしまった元の穴を一つひとつ拾う形で縫う必要があるため、厳密にいえば一発勝負の世界です。縫製はステッチとして製品の表情を作り出すキーになる要素でもあるので、直線を縫う作業も全神経を尖らせます。

これらを含む全ての仕事は決して易しい作業ではありません。職人と呼ばれるまでには10年以上の時間がかかることが一般的だといいます。その上でやはり日本のものづくり現場の高齢化は問題となっているそうです。3年程度の内に上達して独立する方もいるそうで、「好きこそものの上手なれ」と言葉があるように、ものづくりの好きな方はその個性を伸ばす環境としても選択肢に入れてほしいと願っていると言葉を残されました。

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オリーブヌメシリーズ
2WAY ショルダーバッグ
KIOB-076
W360×H255×D120mm
27,500円 税込

オリーブヌメシリーズ一覧はこちら

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ベッロシリーズ
2WAY リュック
KIOB-055
W300×H300×D90mm
21,450円 税込

ベッロシリーズ一覧はこちら

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今回は、縫製工場さんを訪問して作業の細部を見学させていただきました。黙々と作業に取り組まれる姿には目を奪われる余りでした。工程ごとにそれぞれの職人がベストをかけて作業されており、一人ひとりの仕事がバトンのように繋いで一つの製品が出来上がっていました。成果物にはこれまで費やされてきた時間の価値が込められていることを改めて実感できました。

こちらの縫製工場で生産されたものは「KIOB-」と名前を変えて製品として店頭に並んでおります。ご使用されるお客さまがより長い時間一緒に過ごせる安定したアイテムを生産いただいております。日々、kissoraの製品の生産に携わっていただいている皆さまへこの場を借りて心より感謝申し上げます。

こちらのコラムでは語りきれなかった作業場の様子と手作業で行われるものづくりの良さがふんだんに詰まった動画となっております。ぜひ併せてご覧ください。

YouTubeチャンネル「kissoraの中の人」

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