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2025.10.31

《column.28》経年変化の魅力:サビアシリーズ

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コラム・28

経年変化の魅力:サビアシリーズ

キソラのコラム第28弾となる今回は『経年変化の魅力:サビアシリーズ編』です。
キソラ製品の多くは、《タンニン鞣し(混合含む)+染料仕上げ+素上げ》で仕上げられ、革素材の特性を最大限に生かした製品づくりがなされています。そういった革の特性を生かした素材を使用した製品に起こる特徴として『経年変化』があります。経年変化は革製品をお楽しみいただく上での醍醐味とも言え、時間をかけて使い込むことで色の濃さやツヤ、表情に変化を生じさせます。
また、キソラではシリーズごとに使用する革素材の種類や仕上げを変えており、型は似通って見えてもシリーズによって特徴が大きく異なります。今回は『経年変化の魅力』第1回として、サビアシリーズについてじっくりご紹介いたします。

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2024年春夏シーズンより展開している財布・小物シリーズ「サビア」。多量のオイルを含ませた国産の牛革を使用し、裏地を使用せず革素材のみで仕上げている、素材の魅力を存分にお楽しみいただけるシリーズです。

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サビアシリーズ:素材の特徴

サビアシリーズ特有の特徴といえば独特な革の表情です。革の吟面(表面)をサンドペーパーで擦り、起毛させる吟スリという加工が施されており、使い始めはザラザラとした質感が特徴です。
また、表面にはネン引きという熱処理によるラインが引かれています。ネン引きは熱によって革の繊維を引き締め、耐久性を高める目的で施されることもありますが、サビアシリーズはアイテム全体のアクセントとなるデザイン性を追求して採用されています。染色は染料で行われており、使い始めは発色の良い印象のシリーズです。

サビアシリーズ特集ページはこちら

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kissoraのYouTubeチャンネル「kissoraの中の人」でもサビアシリーズの二つ折り財布を詳細にご紹介しております。経年変化の過程もお披露目し、エイジングの魅力も詳しくご覧いただけます。ぜひ併せてご覧ください。

YouTubeチャンネル「kissoraの中の人」

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経年変化と一言でいっても、色(濃淡)、質感、形状の変化まで、その現象は様々あります。また、使用期間や使い方、お手入れの有無や製品自体の個性によっても変化の過程は異なります。こちらのセクションではあくまで一例として、サビアシリーズを使用することでどのような経年変化が見られるのか、大まかな種類に分けてご紹介いたします。

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変化①濃淡の変化

まず初めに《色(濃淡)》の変化です。こちらは経年変化の現象の中でも代表的でご存知の方も多いかと思います。
使い込むことで手やクリームの油分が加わったり、紫外線等を浴びることで元の色から何段と深く、濃い色へと変化していきます。明るいトーンは濃度が何段も高くなり、グリーン、ネイビー、グレー等のダークトーンはおおよそのものがほとんど黒に近い色へと変化します。

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色の変化の見極め方

色の経年変化を見極めるためには、実はポイントがあります。それは、製品に施されている刻印(素押し・型押し)の色味を見ることです。箔や色が入っているものは例外ですが、熱と圧のみで押される素押しが施されている場合は、製品が経年変化した場合の色の途中経過に限りなく近い色合いが見られます。使い始めは色が明るいものは特に、ロゴ等の刻印が色が濃く目立ちますが、使い込むことで周辺の色と馴染み、目立ちにくくなる傾向があります。
また、染料仕上げと顔料仕上げの違いをロゴの素押しを見ることで見分けられる場合があります。顔料仕上げの場合は素押しによる熱と圧では素材に大きく影響しないため、使い始めの段階から刻印と周辺の色合いが近いといった特徴があります。

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変化②ツヤの変化

続いて《質感》の変化です。主に「ツヤが増していく」変化が発生します。こちらは使い込むことで素材に元々含まれていた油分が表面に表れ、摩擦を受けることで革の繊維が引き締まって潰れていくことで表面の質感が滑らかになり、ツヤが生まれる仕組みで表出する変化です。
サビアシリーズは特に、元々の質感がマット且つ起毛性のある素材感のため、使い込むと起毛感が落ち着き、ツヤ感のある質感に変化していくのが顕著に感じ取りやすい特徴があります。

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変化③厚み、サイズ感の変化

使い始めはハリがあり、ふっくらしながら、比較的硬い質感の多い染料仕上げのシリーズですが、使用と共に柔らかく手馴染みのよい質感になるのも特徴の一つです。使い方や収納する内容量によっても異なりますが、一般的には、一回り小さくギュッと凝縮されたように変化していきます。なお、形状保持能力は失われないのも特徴です。むしろ時間と共に繊維構造が安定し、使う人の身体や手の形へと馴染んでいき、製品としてのデザイン性もさらに活きてきます。

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変化④内装の変化

経年変化は内部の革にも発生します。特にサビアシリーズは内装にも生地を使用せず、全て革素材で仕上げられているため、製品全体で経年変化を実感いただくことができます。
外装と比べると紫外線や手などの外部に触れる機会が少ないため、経年変化の進度には差が発生するものの、外装と同様に内装もしっかりと変化していきます。特に折り目になる部分等は、使い始めはふっくらと仕上げられていた部分が使い方に合わせてしっかり跡が付き、輪郭がはっきりとしていきます。

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内装も一緒にお手入れを

内装は外装に比べ、様々な要素に触れる機会が少ないため、経年変化の進度が遅くなります。ただ、使用することで着実に変化をするため、お手入れをする際は外装と一緒にクリームを塗っていただくことをお勧めしております。

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変化⑤部分的な変化

経年変化は時間を費やすだけでなく、使い込むことで発生します。そのため、使い方によってその進度や発生の仕方は異なります。特にホック部分等金具が内部に仕込まれている箇所は使用時に特に圧がかかりやすいため、変化が早くなる傾向があります。触れる機会が多い箇所ほど変化が早いため、使用の過程で濃淡の差が生まれることもあります。それはネガティブなことではなく、革が自分らしく育った証でもあります。

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サビアシリーズは型を追加しながら、現状全7型を展開しております。お財布、小物のシリーズでいずれも手に触れる機会が多く、経年変化による状態変化が著しいため、革製品を初めて使う方でも経年変化も実感しやすいシリーズです。使い始めの独特なマットな質感と革らしい素材感はぜひ店頭にてお手に取ってご覧ください。

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キソラでは革素材の特性を最大限に生かした製品づくりを行っています。革らしさを活かした素材(染料仕上げベース)は置かれた環境に順応しやすく、手間暇をかけるほどのびのびと育っていきます。
革素材は生産の過程でたくさんの水と脂を使用します。そのため製品になった後でも【水分と油分】のバランスをうまく保つことで革らしく成長し続け、素晴らしい経年変化を発生します。その手助けとなるのがデリケートクリームによるお手入れ(保湿)です。クリームには革に不可欠な【水分と油分】がたっぷりと含まれており、定期的に塗布をすることで、革が生き生きとします。簡易的な方法でも定期的に保湿を行い、ぜひキソラの製品と長くお付き合いいただけると嬉しいです。

革製品のお手入れは大きく分けると4ステップ+α。【 汚れ落とし ▶︎ 栄養補給 ▶︎ 乾拭き ▶︎ ツヤ出し +α(撥水スプレー)】です。kissoraのアイテムはこれらの手順を踏んだお手入れを行っていただければ、より長く革製品をお楽しみいただけます。ご不明点等ございましたら、SNS等でのお問い合わせ、YouTubeのコメントにて受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

item line up

kissoraの革製品へのお手入れでおすすめしているケア用品をラインナップしています。特にデリケートクリームはkissoraでお取り扱いを行っている全ての製品にお使いいただくことができ「水分」と「油分」を補給するのに十分な効果を発揮します。

デリケートクリーム
KIRD-001
1,430円 税込
馬毛ブラシ
KIRD-002
1,430円 税込
プロテクターアルファ
KIRD-003
1,760円 税込
クリームエッセンシャル
KIRD-004
2,090円 税込
ポリッシングコットン
KIRD-005
660円 税込

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kissoraのYouTubeチャンネル「kissoraの中の人」ではお手入れに関する動画をいくつか投稿しております。お手入れの基本的なステップを習得すればキソラの製品には全て同じ方法をご活用いただけます。しっかりお手入れをしながら革らしい経年変化をぜひ存分にお楽しみください。

YouTubeチャンネル「kissoraの中の人」

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